クローバー♧ハート - 愛する者のために -
少しだけ、今日だけ弱音吐いてもいいかな?
ずっと抱えていた不安を話しても、罰はあたらないだろうか。
「少し話が長くなるかもしれませんが、聞いていただけますか?」
壁に掛けてある掛け時計に目が行き、もう二十三時が来ようとしている事に気が付いた。
今から話せば、絶対零時を過ぎてしまう。
私は明日休みだからいいものの、先生は違う。早く返してあげなくちゃ。
「……幼稚園に、帰らなきゃいけないですよね」
今日はお泊り会。園児が待っている。
なにせ彼は幼稚園でもアイドル的存在で、大人気なのだから。
「大丈夫です。もう、園児たちも寝てますし……こんな辛そうな顔をした人を、一人で居させたくありませんから」
センセの優しさに、涙が出そうになった。
自分がどんな顔をしているのかなんて分からない。
だけど、もう自分の中に閉じ込めておくには限界だったのかもしれない。
奥の部屋で眠る悠に、一度だけ視線を送ってゆっくりと話し始めた。