クローバー♧ハート - 愛する者のために -
『陽香は何も心配しなくていいよ。ちゃんと分かって貰うまで説得するから。ただ、暫く会えなくなるかもしれない』
「分かった。待ってるから」
この子と二人で、あなたの帰りを――。
下腹部を優しく撫でながら、そう伝えた。
次に会った時、ちゃんと紹介するからね。パパですよって。
『すまない』
そう言って通話は切られた。
もし彼がご両親に説得してくれたら、晴れて恋人同士ってみんなの前で言える日がくるかもしれない。
それに、この子と三人で暮らす日も近いかも。
そんな幸せな日を夢見て、ベッドに潜り込んだ。
次の日それは見事に裏切られ崩れ去るなんて、その時の私は思いもしなかった。