クローバー♧ハート - 愛する者のために -
私の手を包む彼の手を解いて、彼の目を見つめる。
「ありがとうございます。でも――」
「はるさん。迷惑掛けたくないとか、思ってませんか?」
え……どうして、それを。
もしかして一ノ瀬センセも悠みたいに、私の考えが読めるとか?
「やっぱり……悠が言ってました。ハルは、どうでも良いことは人を頼るけど、いざとなると自分の中に抱え込んで話さないって」
そんなことを悠が――。
感が良い子だとは思っていたけれど、それ以上に私のことをよく見てくれているのかもしれない。
「最近、ハルの様子がおかしい。僕に何か隠し事をしているみたいだとも言ってました」
ッ……悠は気付いていたんだ。
何を隠していたのかは分からなかったみたいだけど、私が隠し事をしているってことはバレていた。
その上で、普段通り接してくれていた。
心配をかけたままで――。