クローバー♧ハート - 愛する者のために -
もしかして、その所為で熱を出してしまったんだろうか。
余計な心配事を抱えたせいで……。
「子供って凄く大人のことを見ているんですよ。大切な人なら尚更。特に悠は、感受性が強くて実年齢よりも大人です」
知ってる。だって、いつも私は悠に助けられている。
悠の方がしっかりしていると、情けなくなることもあるから。
「ダメな母親ですね……」
「そんなことありません。はるさんは、頑張ってるじゃないですか。女手一つで悠を育てて……俺、尊敬してるんです。大変なはずなのに、いつも笑顔で楽しそうしてて。はるさんがいるだけで、春の日差しのように温かく包まれるように癒されて――あっ、俺が言いたいのは、あの……えっと」
真剣な顔の次は、柔らかく笑って、そして今は顔を真っ赤にして慌てている。
百面相のようにコロコロ表情を変えていく、一ノ瀬センセ。
言いたいことが纏まらなくてイラついているのか、頭をワシャワシャと掻き乱す。
「ふふっ……そんなに慌てなくても」