クローバー♧ハート - 愛する者のために -
「はい。悠も当事者です。知るべきだと俺は思うんです」
「そんな!悠は、まだ五歳ですよ?」
思わず声を荒げてしまう。
五歳の悠には、まだ知られたくない。ううん、知ってほしくない。
死んだという事にしている父親のことも、息子として迎え入れたいと言っているという事も。
「五歳でも、悠は自分で判断できる賢い子です。お分かりですよね?」
私の両肩を両手でしっかりと掴み、揺るぎない真っ直ぐな瞳で見つめる。
知ってる……だけど、余りにもそれはショックが大き過ぎないだろうか。
精神年齢は高いかもしれない。それでも悠は、まだ五歳だ。
心も身体も、成熟していない。そんな彼に、この話は酷ではないのか。
逆に悩ませ苦しめることにはならないだろうか。
「でも……」