思い出してはいけないこと(仮)加筆修正進行中
校舎に入ると、誰もいない教室に身をひそめる。
「はぁ………はぁっ」
走って乱れた呼吸を整えながらも壁にもたれ座る。
きっと全校の女子生徒に、誤解されてしまった。
あのお題は完全に失敗だ。
私が引いちゃいけなかったんだ。
蒼空が好きなわけじゃない。
だから、誤解を解かなくてはいけない。
でなきゃ、何が起こるかわからない。
怖い。
嫌だ。
もう、あの時みたいのは嫌だ。
心の中でそう叫んだ。
けれど_____
その意味を私は知らない。
呼吸が落ち着いてくると、心も落ち着いてきた。
冷静になると、また見つけてしまうんだ。
矛盾が。
あぁ、いつになったら、こんなモヤモヤとした気持ちから解放されるのだろう。
全て、思い出してしまえたらいいのに。
こうも中途半端だと、返って嫌だ。
今頃、蒼空は心配してるかな。
いきなり逃げ出してきたんだもの。
「はぁ……」