思い出してはいけないこと(仮)加筆修正進行中
たった数分間の出来事なのに、内容はかなり膨大だ。
「優那ちゃんおかえり」
「よーし、透お手製のお弁当で力がみなぎってきたー!!」
「夕、うるせー。俺は今休憩中なんだ」
「って、あ、そろそろ戻ろうか」
透がそういい、立ち上がった。
真と透は西軍方面、私と蒼空と夕は東軍方面に分かれる。
「透」
「ん、なに?」
歩いていく透を呼び止めた。
「花園先輩って、知ってる?」
「え?ああ、同じクラスの花園梨恵さんだよね?花園さんがどうかした?」
「どんな人なのかなって」
「んー、まあ見た目は少し派手……っといってもお父さんが外国の方らしいし、元からなんだけど。でも、意外と真面目だよ」
それでなんだ。
「それに、気も強いけど、俺はいい人だと思う。気配り上手で優しいしね」
気配り上手で優しい……
そう聞くと、実は案外いい人なのかも知れない。
少なくとも、透の口からはそう言っているように聞こえた。
「優那ちゃん?」
「え?あ、ううん、それだけ。……透もリレーに出るんだよね」
「強制的にね」
「頑張ってね。私、応援するから」
「優那ちゃんは東軍でしょ?なら、蒼空と夕を応援するべきだと思うけどな。でも、嬉しいよ」
「皆のこと応援するの」
「そっか。……ねぇ、もし俺達が勝ったら、お願いしたいことがあるんだけど、いい?」
「なに?」
息が耳にかかるくらいの距離で、心拍数が上がる。
「____。これはあくまで、勝ったらの話だから。負けたら負けたで、その話は白紙ってことで。じゃ、そろそろ行くよ」
行ってしまった。
その場に一人残された訳だが。
透の言葉が頭から離れない。
"もし勝ったら、俺とデートして欲しいんだ。勿論2人きりで"