思い出してはいけないこと(仮)加筆修正進行中
『………4位東軍2チーム、3位西軍2チーム、2位………西軍1チーム。優勝は、東軍1チーム!!』
東軍から歓喜の声が湧きあがる。
ゴールした蒼空と透は、上がった呼吸を整えていた。
「はぁ……はぁ……負けた……かぁ」
「………だから、負けないって言ったでしょ」
「これで白紙かぁ………残念だな」
「そういうことするなら、正々堂々優那に申し込めばいいのに」
「……次はそうするよ」
「そうさせるつもりはないけど」
「優那ちゃんのことになると、途端に必死になって……。蒼空はそのくらい___ってことなんだね」
「蒼空、お疲れ様!優勝だよ、優勝!やったね」
走り終えた夕と真が駆け寄ってくる。
「ん」
「真ごめん、負けちゃったよ」
「別にいーよ。なんか俺達……っていうより、透個人の勝負みたいだったしな。てかその言葉、俺にじゃなくて自分にだろ」
「あはは……」
図星を突かれ、透は苦笑いする。
「あ、蒼空どこ行くの」
その場を去る蒼空の背中に、夕が声をかけた。
「優那のところ」
「なら僕も………って、もういない」