思い出してはいけないこと(仮)加筆修正進行中
Secret7







最後の最後で蒼空は1位でゴールテープを走り抜けた。






嬉しさと、ほっとした気持ちが溢れる。







「優那」





珍しく大きな声を出し疲れたのか、力が抜ける。





そんなとき、どこからか蒼空が呼ぶ声が聞こえた。





振り返るとすぐ目の前に蒼空が立っていて、高いところから私を見下ろす。





「蒼空、おめでとう」





上を見上げ、蒼空の顔を見ると、心からそう言った。






「優那の応援のおかげ」






「大きな声を出した甲斐があった」





「………俺、好きだよ」





「何が?」





主語が無くては、何が好きなのか分からない。





だから、そう聞き返す。






「優那のこと、好き」







「え……?」






そう言った瞬間、周りに居た女子が悲鳴を上げる。





帰ってきた言葉の意味は、透のときと同じだ。





「優那のこと好きだよ?………ずっと」







「そ、蒼空……ど、どうして今言うの……」







周りに人は沢山居るし、これじゃあ晒し者だ。






きっと、顔が赤くなってるに違いない。






「伝えたくなったから?」






あぁ、私はどうしたらいいのだろう。






透にも返事はしていない。





蒼空にも返事はできない。






なぜなら、花園先輩が居るから。





もうひとつ………私自身、自分の気持ちがあやふやだから。


























なのに_______________











どうしてこんなに心が温まるのだろう。





< 113 / 128 >

この作品をシェア

pagetop