思い出してはいけないこと(仮)加筆修正進行中
そのまま、逃げるように校舎から出ると、寮に帰った。
リビングから聞こえる「おかえり」という言葉も無視して、自分の部屋に駆け込んだ。
ベットに仰向けで寝転ぶと、白い天井を見つめる。
花園先輩は、上手く言えただろうか。
蒼空は、置いて帰ったこと怒ってるかな。
「はぁ……」
私は、考えることをやめるように目を瞑った。
それからどれくらい経ったのかは分からない。
「……な……優那」
誰かが私の名を読んでいる気がして、目を開けた。
「そ……ら?」
「蒼空じゃねーよ」
「真?なんでここに?」
眠い目を擦りながら、体を起き上がらせると、少し目が覚める。
あ、制服のままだ。
「飯だから降りてこいって。……悪い、ノックしても出てこないから、勝手に入った」
「ああ、ご飯……」
いつもなら、ご飯と聞けばお腹が空くものなのに、今日は食欲がわかない。
もうこのまま朝まで寝よう。
「っておい、また寝るなよ」
「お腹空いてない……」
「はぁ……分かった。ただ、寝るなら着替えろよ。皺が付くだろ」
「………」
真に背を向けるようにして寝転んだ。
「なぁ、蒼空の様子が変なんだけど、何かあったのか?」
「……」
何も言わないでいると、真は静かに部屋を出ていった。
何かあったのか、何もなかったのか。
正直なところ、良くわからない。