思い出してはいけないこと(仮)加筆修正進行中
Secret2
「ではでは、改めまして。俺は笹野透、一応3年生です。よろしくね」
キラキラとした笑顔が眩しい人だ。
白馬に乗ってそうなイメージと言うべきか。
「鶴見真。よろしくはしない」
「真は君と同じ2年だよ。クラスは違うみたいだけどね」
ああ、この人きっと嫌なんだろうな、私が一緒に住むの。
実際私も不本意ながらここに住むわけだけど。
「水無月夕です!誕生日は6月6日、血液型はB、好きな物はスイーツとかの甘いもの!特技は_____」
「なげーよっ!」
盛大なツッコミが私の前を通り過ぎた。
「あはっ。これから末永く付き合っていくわけだし、僕の事をより深く知ってもらおうかと」
「末永くって、高校の間だけだと思うけどなぁ」
あと2年弱の間。
私は耐えられるだろうか。
「まあまあ。で、あとは蒼空_____はぁ、寝てるし」
ソファで寝転ぶ彼の瞼は視界を完全にシャットアウトしていた。
「ほら、蒼空起きて」
優しいその眼差しはまるでお母さんだ。
お兄ちゃんともいえるけど。
「んー」
「全くめんどくせえな」
先程からイライラしているこの人は随分と短気な性格なんだろ。
ソファに寝ている彼は、完全に開ききらない瞼をこすり、ようやく起き上がった。
「……」
「え」
急に私の腕を掴んだかと思えばそのまま掴んだ腕と共に再びソファに倒れ込んだ。
……これは……なんだ?