思い出してはいけないこと(仮)加筆修正進行中
それからまた少し歩いて、ようやく祠にたどり着いた。
「ここか…………本当に幽霊出そうだな。妙に雰囲気があるし」
祠の小扉からうっすらと、中にある祀り物が見える。
それだけで、私の恐怖心を煽る。
その小扉の向こう側に何かが居そうで……
見えるわけでも無く、別にこの祠の神様が悪霊なわけでもないけど、人をゾッとさせるには充分過ぎる。
一応手を合わせてから、戻ることにした。
「ひゃっ!」
いざ帰ろうと来た道を振り返ると、誰かに手を引かれた。
真では無い誰かに。
物陰に連れられ、ようやく手を離される。
「だ、誰」
暗くて顔ははっきりと見えず、見えるのはシルエットのみ。
「しー、安心して、俺だから」
この声は…………
「蒼空?」
「そ」
「どうしてこんなところに………蒼空の番はまだでしょう?」
「もう暗いから、2人に続いて来てた」
「じゃあ、さっきの足音は蒼空だったんだ」
それなら納得だ。
「んー、多分そう」
多分とは、なんと確信のない。
それよりも、真を一人にしてきてしまった。
戻った方が良いよね。
「蒼空、早く戻ろう?」