思い出してはいけないこと(仮)加筆修正進行中
「真が心配?」
「え、うん。勝手にいなくなっちゃったから、心配してると思うし」
「そう……だけど。でも、今は少しだけ傍にいて」
私をすっぽり包み込んでしまうように抱きしめて離さない。
少し苦しいくらい。
「蒼空、怖いの?」
「ううん、怖くない。優那の方こそ怖いんじゃないの?」
「今は怖くない」
「それは、真に手を繋いでもらったから?」
どうしてそんなことを訊くのだろう。
「……分からない。ただ、今こうして抱きしめられていると落ち着く」
それに、懐かしい。
なんだか、前にも感じたことがあるこの感覚。
前と言っても、蒼空たちと出会うずっと前ような気がしてならない。
「……覚えてない………か」
「……ん、今なんて言っ___」
「なんでもない」
蒼空はまた、私を強く抱きしめる。
「_______そろそろ、戻る?」
少しして、蒼空は抱きしめる力を緩めた。
「うん」
「手、貸して」
「ん?」
蒼空はそう言って私の手を握る。
なんだかデジャヴ。