思い出してはいけないこと(仮)加筆修正進行中
"とおるくん"
「……………とおる、くん」
「優那ちゃん?顔色が良くない気がするけど、だいじょ…………」
「とおるくん?」
「え?今、なんて______」
「理事長の言ってた通り……か」
葵がそっと呟いた。
「ねぇ、どういうこと?」
蒼空が葵をキッと睨む。
「聞こえちゃった?まあ、こっちの話さ。蒼空達には関係な___くはないけど、今話すことじゃないんだ」
「………」
「蒼空こそ、それでいいのかい?」
余裕のある表情で蒼空に言葉を返す。
「っ……今はまだ……」
「まだ?俺は君達の全てを知っているわけではないけど、蒼空、君だって本当は____________」
言葉は透の声にはばかられた。
「優那ちゃん!?」
ふらつく私を見て、透が声を上げる。
頭が割れそう。
いろんなことがフラッシュバックしてくる。
「なんでっ……!」
大きなノイズ音が頭の中に響いている気がしてならない。
曖昧で、不鮮明で、全てを教えてはくれない。
気付けば視界は暗くて、周りの声も音も聞こえなくなっていた。
_______________海は、嫌い。