思い出してはいけないこと(仮)加筆修正進行中
怖い。
知りたい。
知りたくない。
思い出せない。
思い出せるものなら……
今更思い出しても無駄
過去なんて____要らない。
かなり矛盾してる。
自分でも笑ってしまうくらい。
透と昔会ったことがある………か。
ぼんやりと浮かぶのは、あのお屋敷のこと。
あそこで私は何をしたんだっけ。
私は…………どうしてあそこへ行ったんだっけ。
いつ、あそこへ行ったんだろうか。
頭に浮かぶのは、部屋の一角に置かれた碧色の瞳のうさぎ。
「う…………さ…ぎ…………?」
「っ……!優那ちゃん、具合はどう?」
うっすら目を開けると、心配そうな透の顔が見えた。
周りを見渡し、そこが私の部屋だとわかり、ようやく私は倒れたんだということが理解できた。
「透………だよね」
目の前の人は確かに透なのだけれど、古く寂れてしまった記憶がかすり、どうしても確かめたくなった。
「そうだよ」
「___私、皆に言っておきたいことがあるの」
何があったのか自分の中で整理すると、前に言いかけたことを私は皆に言うことにした。
「うん、分かった。聞くよ」
今言わなきゃ、モヤモヤしたままだ。
「……大したことでは無いけど」
そう、大したことじゃないんだ。
ベッドから身を起こすと、透と共にリビングへと戻った。
「あ、優那ちゃん!大丈夫!?」
真っ先に夕が私に飛びついた。
「平気」
「優那ちゃん、ごめんね。俺が変なこと言ったばかりに」
透のお兄さんが、私を見て謝る。
決して、透のお兄さんが悪いわけではないのに。
「どうして私が透とのことを聞いて混乱したのか……………それはね」
皆が居ることを確認すると、私はゆっくりと口を開いた。
言わなきゃ……けじめをつけなくちゃ。
自分が納得するように。