思い出してはいけないこと(仮)加筆修正進行中
「あの!今年の応援、いい提案があるんですけど……!」
徐々に体育祭の準備が始まると、毎年恒例の男子による応援団の衣装案について話し合われた。
応援団は、男子の中から決められた人数選出されるとのこと。
そして、その衣装は西軍、東軍ごとに毎年女子が考案し、作成すること。
大きな視聴覚室で、我ら東軍の女子達が1年生から3年生の全員が集まっていた。
リーダー格の女子数名が前方の檀上で何か良い案はないかと言うと、真っ先に一人の女子が立ち上がった。
「……女装、というのはどうでしょうか!」
そう言う彼女は、いつの日か教室で蒼空に女装をせがんでいた同じクラスの西川さん。
またしても、”女装”という言葉を出してきた。
彼女は、どうしてあんなにも女装を押すのか。
男子の女装を見ても対していい光景は見れないと思うのに。
きっと、却下されるにきま_________
「………いい!その案良いわね!!でも、一応候補ってことにしておきましょう」
あ、良いんだ。
「でも、女装するなら、やっぱりかっこいい男子に限るよねぇ」
ひそひそと話し始める周りの女子。
「大丈夫、先生に言って、主要人物は確保しておいたから!」
なんと手際の良い。
多分、またあの人達だろう……
残り枠に選出された人は、きっと劣等感に駆られるに違いない。
話し合いはその後も続き、いくつか案が出され、最終的には西川さんの”女装”が選ばれることはなく、代わりに”裸学ラン”となった。
西川さんは、大層がっがりしていた。
ちなみに”裸学ラン”とは、シャツを着ずに肌に直接学ランを羽織るとのこと。
勿論、ボタンは閉めないそうだ。
女装は女装であれだが、これもなかなか大胆だとは思う。
きっと今頃男子達は、こんなことになるなんて知らずに、呑気に暇を持て余しているに違いない。