思い出してはいけないこと(仮)加筆修正進行中






そんなこんなで、体育祭当日になったわけだが……。







「いやあ、良い眺めだな。女子がこんな格好するだなんて、滅多にないからな。本当は露出させたかったけど、流石に先生に止められた」





「でも、これはこれで絶景絶景!」





「萌え、だな。あ、ほら見てみろよ、いつもはツンケンしてる奴も、あの姿だとちょっとは丸く見えねえか?」





「確かに、可愛く見えなくもないな」





クラスの男子は揃って、そんなことを言う。






不本意ながら私も着ている、この衣装。






露出なんてものはなく、全身着替えているわけではない。






ただ、頭にカチューシャ、お尻に長くてフサフサしたものがつけられているだけ。






「優那ちゃんは、黒猫かぁ。うん、すっごくかわいい」





まじまじと、全身を舐め繰り回すかのように見る夕は、少々変態チックだ。






「……やっぱり二人とも応援団に選ばれたんだ」






「まあね。でもこれ、スースーしてちょっと寒いや」






「………くしゅんっ」






「蒼空大丈夫?やっぱりこの格好寒いよねー。ま、でも動けば何とかなると思うから、後少しの辛抱だよ」






「ん、大丈夫………じゃないから優那が温めて」







「え?」






私を包むように抱きしめる。





「あー、蒼空!」






周りにはクラスの皆が居ると言うのに







「うぅ……」






さらに、頬に蒼空の素肌が当たって、気が狂いそう。







「綾瀬ー、俺らにいちゃついてるところ見せるなよ。……悲しくなるだろ!!」






「そーだ、そーだ、非リアの理不尽な恨みなめんなよ!!」






一斉にブーイングの嵐が起きた。






「凪宮さんずるい!あたしだって、綾瀬くんの胸に飛びつきたいのに!!」






「私は、夕くん派!」






何だか、いろんな恨みや欲望が声となって聞こえるけれど……。







そろそろ______















「苦しい……」















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