思い出してはいけないこと(仮)加筆修正進行中
前方に立つ4人が、キラキラして見えた。
同時に、胸が締め付けられるような感覚になる。
大事なものがまだある……あるはずなの。
けれど、まだわからない。
まるで、うす暗闇に放り投げだされて、抜け出そうにも出口が見えないような。
強固な壁によってふさがれた出口。
それを突き破ることは、今の私にはできない。
思い出したい。
いつの間にか、そんな気持ちが強くなっていた。
「私には少し……眩しい」
応援が終わると、蒼空と夕が戻ってきた。
「優那ちゃん、僕の事見ててくれた!?」
「うん、ばっちりみてた」
「俺は?」
「蒼空の事も見てたよ。かっこよかった」
「ん……」
蒼空は頬を赤色に染め、それを見せまいとそっぽを向いた。
バレバレだけど。
「蒼空ったら、赤くなっちゃって~」
「なってない」
「ほらー」
「な、なってない」
動揺してる。
「優那………」
ふと私を見つめ、今度は悲しそうな顔をした。
「なに、蒼空」
「………」
呼びかけておいて、何もしゃべらない。
「ん?」
「なんでもない」
いったいなんだったのか。
蒼空がなにを言いたかったのか、良くは分からない。