羽ばたけなくて
淡い期待
いろんな声が飛び交う賑やかな教室。

みんな笑顔を見せながら友だちと語り合う。

そんないつもと変わりない風景なのに、

その和やかな雰囲気についていけない自分がいた。

きっと昨日、あの2人に会ってしまったからだろう。

高校に入学して3ヶ月が経ち、

気楽に付き合える仲間も出来た今、

ようやくあの重苦しい過去が薄れてきたのに、

それを蒸し返すかのような

古澤君と仁美の言葉に私の心は深く沈んでいた。

教室(ここ)には、

その過去を知る人は誰一人いないのに。

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