羽ばたけなくて
それまでの話題を断つかのようなお父さんの言葉に、

私もヨウも目を丸くした。

しばらくの間の後、

その言葉の意味がようやくわかり、

私は笑顔を向けながら

お父さんにむかってこう言った。

「もう、大丈夫だって。

 さっきも言ったじゃん、私もう高校生なんだよ。

 ヨウと2人だって別に心配ないって。」

お父さんの言う“明日”とは―――。

お父さんの直属の部下の結婚式があるのだ。

部下はお父さんの大学時代の後輩で、

お母さんの後輩でもあった人。

そう、私のお父さんとお母さんは同じ大学で

同じサークルに所属していた。

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