羽ばたけなくて
着替え終わると軽くベッドを直してから部屋を出た。

きっと私が一番早く起きたに違いない。

そんな事を思いながらパタパタと1階へと降りた。

すると私の予想は大きく裏切られ

すでにみんなの顔が揃っている。

「なんだ、起きてたの?」

肩を落としながら私が言うと

お母さんが優しい笑顔を見せながら、

「おはよう、羽衣。今日は早いのね。」

と穏やかな声で言った。

確かに普段の私は、

休みの日になるとお昼頃まで寝ていることが多い。

そんな私が目覚ましよりも早く起きたのだ。

“一番かも”と期待する気持ちも少しはわかって欲しいのに。

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