羽ばたけなくて
もうすぐってことは、……早く支度しなくては。

完全にオフの日のスタイルで過ごしている

私の今の服装は、

ラフなTシャツにジャージ生地のハーフパンツ。

まさかこんな格好で雅也に会うことなんて出来ない。

私はバタバタとクローゼットへ駆け込むと、

慌てて洋服を探し始めた。

雅也とこれから会うのだから、

少しは女の子らしい姿でいたい。

私にしては珍しい小花柄の

ピンクのマキシ丈ロングワンピースを手にし、

ささっと着替える。

そして、メイク道具を取り出しほんの少しだけメイクをする。

仕上げのグロスを塗り終えた時、

1階の玄関から来客を知らせるインターホンが鳴り響いた。

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