羽ばたけなくて
title:了解!

text:うん、わかった。

   じゃあ、明日の朝、CANDYの前でね。


送信を確認すると、私は早々に布団の中へともぐりこんだ。

しかし、変に気持ちが高ぶっている私は、

結局、一睡も出来ずに登校日の朝を迎えてしまうのだった。



翌朝、私は制服に着替えると

バッグを手にして1階へと降りた。

すでに出勤してしまったのだろうか。

新聞紙が無造作にテーブルに置かれていた。

「おはよ。お父さん、もう会社に行ったの?」

私は自分の席に座りながら

キッチンにいるお母さんへ訊いた。

「そうよ。今日はちょっとお仕事が大変みたい。

 ご飯もろくに食べずに行っちゃったのよ。」

私の前にアイスミルクを出しながら

お母さんは心配そうにそう言った。

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