羽ばたけなくて
真実
まだぼうっとする頭を軽く振りながら、

私はリビングのドアをゆっくり開ける。

「おはよ。」

中ではもうすでにみんな揃って朝食を食べていた。

お父さんなんかすでに食べ終わっていて、

新聞を読みながら優雅にコーヒーを楽しんでいる。

「おはよ、お姉ちゃん。」

イチゴジャムをぬったトーストを

美味しそうにほお張りながら、

ヨウが私に向かってにっこりと笑う。

私もまた微笑んで小さく頷くと、いつもの席へと座る。

と同時に、目の前にアイスミルクが置かれた。

「おはよ、羽衣。ちゃんとご飯、食べていってね。」

ふんわりと包み込むようなお母さんの言葉に、

私はもう一度こくんと頷きアイスミルクを一口飲んだ。

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