羽ばたけなくて
上手く回転しない頭で結局、

無難なパステルブルーのカットソーに

細身のジーンズを選んだ。

気持ちがふわふわと宙に浮く中、

私は雅也からのメールをただただひたすらに待つ。

最後のメールから30分ほどがたった頃、

握り締めたままの携帯電話が鳴り響いた。

雅也が、来た。

そう思いながら、私は携帯電話の画面を確認した。


title:no title

from:三上 雅也

text:今、羽衣の家の前にいる。

   出てきてくれないか、ヨウキくんと一緒に。


私は窓のカーテンを少しだけ開き外を覗きこむ。

私の家の玄関前に雅也が真剣な表情で立っている。


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