羽ばたけなくて
ふとどこからか、

パチパチと手を叩く音が部屋に響き渡る。

その音を辿ってみると、

ヨウが天使のような優しい笑顔で

私たちに向かって拍手をしていた。

「みんな、おめでとう!」

ヨウの言葉に、拍手に、

みんな顔を見合わせてにっこりと笑顔になる。

そして、

私たちはヨウの音にかぶせるように手を叩きはじめた。

「おめでとー! 羽衣、雅也ー。」

「おめでとー! 美園、大志ー。」

お互いに祝福しあい柔らかい空間に包まれる。

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