羽ばたけなくて
「プハーッ。

やっぱ暑い日のサイダーは美味いね。」

腰に手を当てながら大志が満面の笑みで言う。

一口目だったはずなのだが、

手しているサイダーはすでに半分ほどに減っていた。

余程、この瞬間を楽しみにしていたのだろう。

それにしても炭酸飲料を

ここまで一気飲みできる大志に私は驚いた。

「よく、炭酸イッキできるよね。」

私が感心しながら言うと、

大志は「まぁな」と言いながらへへんと鼻をこすった。

学校近くにある川原。

だだっ広い土手にいつもの4人が並んで座る。

私たちの“いつものトコ”。

雨の降っていない放課後、

何も用事がないと決まってここで寝そべりながら

他愛のない話をするのだ。

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