羽ばたけなくて
過去
燦々と輝く大きな太陽が

まるで地上に微笑んでいるような天気。

真っ青で眩しいくらいの空の下、

私はヨウと2人、仲良く並んで歩いている。

今日は日曜日。

そう、この間の夕食で約束した“勝負”をする為、

家の近くにある児童館へと向かっていた。

「僕、今日はすごく調子いいんだからね。」

両手でガッツポーズを作りながら

ヨウが自信たっぷりに言う。

「私だって、今日はすーっごく調子いいよ。」

少しからかうようにイタズラに

にこっと笑いながら私も言ってみる。

すると私の言葉にすかさず対抗するように、

「絶対、お姉ちゃんには負けないんだから!」

と、ヨウは目を丸くしながら大声で叫んだ。

そんな弟の姿に私はくすっと小さく笑った。

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