幻月

第二章

翌日私は早速信長のがいる安土城に向かった。
さて、来てしまったがどうやって入ろう、、、だいたい信長の顔も知らないのにどうしようと今頃考えるべきではないことを考えていると突然目の前に馬が走ってきた。驚いて尻餅をついてしまった、、、
そのまま通りすぎようとする立ち上がろうとすると上から
「おい、そこの女」
と、急に声をかけられた。
そこの女とはなんだと思いながら声がした方を見るとそこにはかなりの色男がいた。
艶のあるきれいな黒髪、闇のように冷たく感じられる瞳、すっとした鼻といい形のいい唇といい町を歩いていたら女どもが振り返り黄色い悲鳴が聴こえてくるであろう程の美形だった。
向こうも人がいたことに驚いたのかじっとこっちを見てきた。なんだろうと思っていると年配の男が「信長様ー‼」と叫びながら馬に乗ってこちらに近づいてきた。
、、、ん？信長様？え？この美形あの織田信長なの？そう思っていると家臣であろう男がすぐそばにいた。
「信長様困ります剣術の稽古にお戻りください‼」
あららこいつ稽古さぼっていたんだと他人事のように思っていたら急に腕を引かれ馬に乗せられた。
「？‼」
驚く暇もなく何事‼と思っていたら次にもっとおおきな爆弾を落とされた。
「この女を嫁にする」
そう短く端的に言ったあと急に今来たであろう方向に戻り始めた。
普通こんなことが起こったら驚いたりするものだろうけど私は突然起きた出来事に感謝しそのまま城のなかにはいった。
もちろん、抵抗するふりをしながら。