【短編】 遊ぼ。
奇妙な現実。
ヒューヒュー…
風が吹く。私は鳥肌が立つ。
「おしかったなぁ!もうちょっとだったのに!」
女の子は意味の分からないことを言っている。
「なにが??」
思い切って聞いてみた。時間はもう11時を回っている。
「いやぁ…。まぁね、色々。 あたし、もう帰る。」
そういい女の子は、ベランダから飛び降りた。
「えッ!!!??」
私は、ベランダの下を見た。
ここは、6階。女の子はもういない。
普通じゃない。あの子は何者??
私は、唖然としながら、手術室の前に戻った。
そのまま眠りについた。
「……月歌ちゃん。 …起きて。」
誰かが私を呼んでいる。
私は、ゆっくり目を開けた。
そこには亜季のお母さんがいた。
ここは、病院…。
「起きた。良かった。あの時はごめんね、怒鳴ったりして。亜季、意識が戻ったみたい。」
「いえいえ…亜季、意識戻ったんだぁ…。良かった。」
私は、泣いた。涙がとめどなく流れた。
「ずっと居てくれたのね…。ありがとう。ほんとごめんね。 グスッ…。」
亜季のお母さんも泣いていた。
「亜季は、603号室にいるわ。一緒に行きましょッ!」
「ハイ!」