【短編】 遊ぼ。
 「なによぉ!イキナリ!」
 亜季は、少しキレていた。
 「遊んじゃだめ!!!」
 思いっきりいった。
 「なんで?かわいそうじゃん!お母さんいないんだよ!家も…」
 「だめなんだって!」
 私は、亜季の言葉をさえぎるように言った。

 「はぁ~…。なんでそんなに月歌は冷たいの?わかんないよッ!」
 「ごめん…。怒鳴って…。だって、あの子…」
 「いい!私、あのこと遊ぶ!月歌は、帰っていいよ!」
 亜季は、スタスタと歩き去っていっている。

 「亜季ぃ―――!!!知らないよッッ!!!もう知んないよ!」
 亜季は、私の声を無視して去っていった。
 
 亜季…なに考えてんだろう…。もう!知んない!帰ろッ!

 私はそのまま家に帰った。
  


 ガチャッ…

 「ただいまぁ…。お母さん水!!」
 
 「おかえり。あれ?亜季ちゃんは?一緒に帰ってこなかったの?」
 「うん。ちょっと色々あって…。」
 「色々って…あぁ~わかった!お母さんわかっちゃったよ。」
 「なに? どうせ喧嘩とか言うんでしょう!?」
 お母さん…わかりやすいんだって!
 「あらあら!よくわかったわねぇ。当たってるでしょ?」
 
 「…まぁそんな感じカナァ…?…てかお母さん早く水!」
 「ぁあ!水ねッ。 氷いる?」
 「いらなぁぃ!」
 
 コトンッ―
 「はい。」
 「ありがとう。」
 
 ゴクゴク…

 「パァー!やっぱり水に限るねぇ!」
 今日の水はなぜか美味しく感じた。
 「なにそれ?親父くさいはねぇ!」
 「まぁお父さんに似たのかもねッ!」
 「もうやめて!あんたは、女の子よ!」
 お母さんは、ちょっと本気で私に怒鳴った。
 「はい。はい。わかりました!!」
 ふてくされたように、お母さんに言った。
 「もぉ~。月歌!早くお風呂に入って勉強して寝なさい!」
 「わかったよぉ。じゃぁねオヤスミ☆」
 「おやすみ。」

  ガチャ―
 もぉ…お母さんってば。いちいちうるさいって…
 
 
 
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