夏休み*とある姉弟のお話(話を追加更新中)
パジャマから急いで着替える。
見た目がどうとか今は気にしてる暇がない。
玄関を飛び出して、鍵を閉め自転車にまたがって全速力でこぐ。
「…はぁっ、はぁ」
息切れをする頃には、指定されたショッピングモールに到着していた。
自転車を停め、駆け足で中に入る。
と、ここでポケットに入っていたケータイが振動した。
「北斗⁉︎」
「あー、北斗ではなくてさっき電話したものです」
その瞬間、走っていた足を止めて立ち止まる。
「多分目的地に着いたと思うので、そのまま3Fにある映画館まで来てください」
「…わかった」
…あたしこの声どっかで聞いたことある…。
さっきは焦ってて気づかなかったけど、絶対どっかで聞いたことある声だ。
そう思いつつも指定された3Fの映画館に向かう。
…あ。
思い出した。
あの声はあたしが大嫌いな、
「…露崎遥」
「正解です」
そう呟いたすぐ後に聞こえてきた声。