夏休み*とある姉弟のお話(話を追加更新中)




「それより北斗のケータイ返してっ!」




ある程度距離を保ちながら、露崎遥に向かって手を出す。




「そんなに離れてたら渡せませんよ」





クスクス笑いながら近寄ってくる露崎遥に身体がビクッと反応する。




あたしの怖いものランキングで堂々の2位を飾る男。

1位はホラー映画とかそういった類のもの。





「こっちに来ないで!」




キッと睨みつけるも、鼻で笑われた。



北斗どこにいるのー!

姉のピンチに駆けつけるのが、弟の役目でしょうがぁぁあああ!!!





イライラしながら露崎遥を見ないように下を向いてると、





「…ルリ」


「ひっ⁉︎」





甘い色気を含んだ声で名前を呼ばれた。



片耳をおさえて口をパクパクさせる。


い、いつの間にあの距離を詰めたの⁉︎



だんだん赤くなってく頬は恥ずかしさからではない。



恐怖心からだ。



否、泣きそうになってるからだ。




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