夏休み*とある姉弟のお話(話を追加更新中)
露崎遥という男。
「ふぁ…」
あくびをしながら階段を下りてリビングに続くドアを開ける。
「…ん、北斗おはよ」
「おはようございますルリ」
んんん?
ちょっと待て!
あたし幻聴が聞こえたのかな⁉︎
北斗におはよって言ったはずなのに、露崎遥の声で返事された気がする!!
寝起きで半分も開いてない目をカッと開いて見やれば、
「…は?」
あたしの家のソファに脚を組んで優雅に座ってる露崎遥がいた。
「あ、姉ちゃん起きてきたんだ」
「う、うん」
北斗は入り口のところで立ち止まってるあたしを迷惑そうに見ながらリビングに入っていく。
「てかその格好…、
さすがに家族以外の前なんだから着替えろよ」
「格好?」
あたしの格好といえば、北斗が小さくて着れなくなったと言っていた半袖のTシャツを着ているだけだ。
あたしには大きいからギリギリお尻が隠れるくらいの丈。
見えてないから大丈夫でしょ?
首を傾げながら北斗を見れば、ため息をつかれた。
「ルリは襲ってほしいみたいですね」
立ち上がった露崎遥はニッコリ笑いながら一歩一歩こちらに近づいてくる。