夏休み*とある姉弟のお話(話を追加更新中)
「ルリー!」
「えっ、ちょっ⁉︎」
名前を呼ばれて振り向くと顔に迫ってきているビーチボール。
「ふぎゃっ‼︎」
バシッといい音がなり、鼻がジンジンと痛みだす。
「ルリ悪りぃ」
ごめんごめん。と、平謝りしてくる人物は、あたしと北斗の幼馴染の奏多。
「かなた!」
ぶすっと膨れながら言えば、ケラケラ笑われた。
鼻がジンジンする…。
鼻を押さえながら奏多を睨み付ければ、頭をガシガシと乱暴に撫でられた。
「っちょ、なにすんのさ!」
「撫でてるだけだろ」
こんな乱暴な撫でがあってたまるか!!
奏多の手を両手で掴んで、撫でる手を止めさせる。
「髪型崩れるからっ!」
「いちいち髪型なんて気にしてたらキリがないからな」
お団子にしたのにそれを奏多に崩された。
ぶすっとしながら奏多を見れば、悪りぃ悪りぃと笑いながら謝られた。
「またそこの夫婦イチャイチャしてるしー」
「痴話喧嘩は程々になぁ」
周りのみんなはあたしたちを見ながら、そう言葉をかけてくる。
「夫婦でもないし!痴話喧嘩もしてないから!!」
「そうだぞー。俺がこんなちんちくりんと付き合うわけないだろ」
あたしの頭にポンと手を置いた奏多があたしを見て鼻で笑った。