夏休み*とある姉弟のお話(話を追加更新中)
気のせいかな?
「どうした?」
「うんん。何でもない」
そろそろ立たないと。と、思い立ち上がろうとすれば、
「奇遇ですねルリ」
地を這うような低い声によって止められた。
え?
…この声って、
「露崎遥」
「正解です」
声が聞こえてきた方に視線をやれば、無駄な脂肪がない身体を見せびらかしている海パン姿の露崎遥がいた。
その隣には、北斗が呆れ顔で立っている。
「ルリ、何でそんな格好なんですか?」
格好?
水着のこと?
「プールなんだから、水着なのは普通でしょ」
露崎遥って案外バカなの?
そう言えば、何故か睨まれた。
「あなたもさっさと離してください」
今度は奏多を睨み出した。
「あー、お前がルリに引っ付いてる露崎遥か」
奏多が呆れたように笑ってあたしを離す。
「てか、なんで北斗と露崎遥がプールにいるわけ?」
首を傾げながら北斗を見れば、チラッと露崎遥を見た。