夏休み*とある姉弟のお話(話を追加更新中)
「かなたー」
「ん?」
「みんなに何も言わないで流れるプール来ちゃったけど良かったのかな?」
「あー、まぁ大丈夫だろ」
俺ら夫婦って呼ばれるくらい一緒にいるから、片方見つければ片方も側にいるって思ってるだろうし。
そう言って露崎遥を挑発的に見た奏多。
…なんで今更夫婦の話を始めたの?
さっきまで嫌だって言ってたくせにー!
「…それ本当なんですか?」
あたしを見ながら聞いてきた露崎遥。
「いや、なんか周りが勝手にそう言ってるの」
「そうですか」
そう言って笑った露崎遥。
ん?
笑う要素なんてあったっけ?
首を傾げれば、露崎遥に頭を撫でられた。
「ちょ、触んないで!!」
「そう嫌がらないでくださいよ」
クスクス笑う露崎遥はいつものあの意地悪顔だ。
「かなたー!」
何かされる前に、距離を取らなきゃ!
浮き輪の上に乗り出して奏多に抱き着けば、露崎遥に舌打ちされた。