夏休み*とある姉弟のお話(話を追加更新中)
「ひぎゃっ⁉︎」
バンッという音とともに、顔面がぐちゃぐちゃの女の人が画面いっぱいに映り、次の瞬間には画面の中心にいた男女が消えていた。
…うぅ。
怖すぎる。
ソファの上にあるクッションを抱きしめて、そこに顔をうずめる。
「姉ちゃん騒ぐんだったら部屋に戻れよ」
うるさい。と、言ってあたしを睨んできた北斗。
「…こんなの見た後に寝れないよ」
涙目のまま北斗を見れば、スッと視線を逸らされた。
「勝手に見たのが悪りぃんだよ」
その言葉にムッとしながら、ソファから立ち上がる。
「いいもんねいいもんね!
こんなの怖くなんてないし!
一人で寝れちゃうもんねっ!」
あっかんべー。と、舌を出して北斗を一瞥して、リビングを出る。
そのままドスドス足音を立てながら自室に入る。
ベッドにダイブしたあたしは今何時か見るために枕元に置いてあるケータイを見る。
「…二時」
夜中の二時は丑三つ刻で、幽霊が出て来やすい時間じゃなかったっけ⁉︎
怖いと思いながらベッドに潜り込み頭までタオルケットをかける。