友情のち恋、ときどき嵐。
友情
「あ゛~!!!また負けた!!!!」


和陽は叫んだ。『負けた』とは、かれこれ3時間30分くらいやっているゲームのことである。54戦中54敗。これはもう、叫ぶしかないだろう。


「ふっふっふ・・・俺に勝とうなど100年早い!!」


そしてここは、和陽の友達である海の部屋。海はゲームで和陽の相手をしている。ちなみに54戦中54勝。


「いや、100年後は死んでるって」

「・・・冷静にツッコむな」


こんな会話では、和陽と海の性別は男に思えてしまうだろう。


しかし和陽は、一応、女だ。


たとえ男に間違えられることが多々あっても。


女だ。


そして、海は男だ。


現在、小学6年生の夏休み初日。

宿題のことなんて考えてもいない時期だ。

何で2人はゲームをしているのか。

それを語るには、2人の出会いまでさかのぼる。
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