友情のち恋、ときどき嵐。
海は、理性と戦っていた。
心の声(海):コイツ・・・・寝るなんてひどいんじゃないか?というか、こんなに無防備な寝顔見せられて、理性が吹っ飛ばない奴がいつのだろうか?いや、いない。どうして自分のことを好きと言った人間の前で当たり前のように寝てるんだよ、お前は。あ~・・・寝顔もかわいいな。もういっそ食っちまおうか?いやいや、信用無くすって、そんなことしたら。でもなぁ・・・・下半身が意志を持ちそうなんだよなぁ・・・・あ゛~・・・・・・・・・・・・・・キスだけならいいよな?
海は、スースーと寝息を立てている和陽の顔を覗き込んだ。
そして、キスをしようとした。途端・・・
「・・・・リュウ」
「・・・・・・・・・」
・・・・・・・・イラッとした。
海は、和陽の上にのしかかる。
「・・・・リュウ・・・・行かな・・・」
・・・・・どんな夢を見ているのだろう?
少し心配しながらも海は、和陽の言う『リュウ』に、苛立ちを覚えていた。
そして、海は和陽に軽いキスを落とした。
「・・・独り・・・や・・・・」
和陽が、ポロポロと涙をこぼした。
海は、その涙を吸う。
「・・・大丈夫、俺がいる」
その声は、とても穏やかなものだった。
「でも・・・寝てるんだから、文句は言うなよ?」
海はそういうと、和陽が着ていたシャツのボタンを、上からひとつずつ外していった。