友情のち恋、ときどき嵐。

「今日転入生来るんだろ～？」
「誰誰？」
「さぁ・・・」
「かっこいいかな～？」
「名前だけじゃ性別わかんねぇしなぁ・・・・」


教室は転入生の話題で持ちきりになっていた。

・・・・・お暇なこって。

和陽は、新学期早々大きなため息をついた。


ガラガラガラガラ・・・・・


教室のドアが開いた。

今年の担任が入ってくる。


「え～・・・今日からこの一年間、このクラスを受け持つことになった、佐伯です」


女の先生だった。

・・・・・あんまかかわらないほうがいいかな？


「で、皆さん知ってのとおり、転入生がいます」


待ってましたとばかりに、男女が騒ぎ出す。


「センセー、その子、男？女？」

「男の子♪」



「「「「「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」」」」」





男子がシーンとなった。


「その男子ってかっこいい？」

「かっこいい・・というか・・かわいいというか・・・」


その『兼頭海』とやら、可哀想。


「「「「「「「「「「「「♡☆◇♡☆◇♡☆◇♡☆◇♡☆◇♡☆◇♡☆◇♡☆◇♡☆◇♡☆◇♡☆◇♡☆◇♡☆◇♡☆◇♡☆◇♡☆◇♡☆◇♡☆◇♡☆◇♡☆◇♡☆◇♡☆◇♡☆◇♡☆◇♡☆◇♡☆◇♡☆◇♡☆◇♡☆◇♡☆◇♡☆◇♡☆◇♡☆◇♡☆◇♡☆◇♡☆◇♡☆◇♡☆◇♡☆◇♡☆◇♡☆◇♡☆◇♡☆◇♡☆◇♡☆◇♡☆◇♡☆◇♡☆◇♡☆◇♡☆◇♡☆◇♡☆◇♡☆◇♡☆◇♡☆◇♡☆◇♡☆◇♡☆◇♡☆◇♡☆◇♡☆◇♡☆◇♡☆◇♡☆◇♡☆◇♡☆◇♡☆◇♡☆◇♡☆◇♡☆◇♡☆◇♡☆◇♡☆◇♡☆◇♡☆◇♡☆◇♡☆◇♡☆◇♡☆◇♡☆◇」」」」」」」」」」」」


女子がうるさくなった。


・・・頼むから、日本語で叫んでくれ！！


転入生は、本当に災難な出来事に巻き込まれている。


はぁ・・・・


和陽は、今学期で2回目のため息をついた。