友情のち恋、ときどき嵐。
パサッ・・・・
ロープが完全に外れ、
バコッ
和陽は海を一発殴った。
海の唇が少し切れた。
「う゛~・・・」
「『う゛~・・・』じゃない!!ド阿呆!!」
和陽は頬を真赤に染めて怒鳴った。
「熱があって、看病しようと思って、襲われかけて・・・」
和陽の目に涙が浮かぶ。語尾も弱っていた。
「・・・嫌なこと、思い出した」
昔、襲われたこと。あの時は、劉がいた。
劉が、助けてくれた。
「もう、劉が助けてくれることはないのに・・・」
とっさに思い出した、劉を愛しく思う。
「I wanted to stop living. (私は死にたかった)」
海を見て、涙が零れた。
「I wanted not to be born.(産まれたくなかった)」
こんなにも惨めになりたくなかった。
自分が、必要のない存在であることを理解したくなかった。
劉は、自分を認めてくれた。劉は、もういない。
誰にも必要とされていない自分は、もういらない。
「I cannot understand the meaning that I lived for.(私は、私が生きた意味が分からない)」
ここにいることさえ、嫌だった。
「和陽・・・」
「Do not touch me! !(触るな)」
海が手を伸ばしてくる。
自分に触れようとしてくる。
恐い。