For you.
急いで準備して、玄関のドアを開ける。
ガチャっ
「よっ!おそぇぞ。」
『康介‥。 ごめん。』
4年前の康介だ。
ブレザー姿の康介は久しぶりで、時が戻った実感が湧く。
「なに、暗い顔してんだよ!
ほら、後ろ乗って。」
そう言って自転車に私を乗せようとする。
きっと、前のあたしなら迷わずに乗っていた。でも、もう違うんだ。変わってしまったんだよ、あたしは。
『いいよ、いいよ!
あたし春休みで太っちゃってさぁ〜!痩せなきゃいけないから、走る!』
「おー!そーか!」
良かった。普通に返してくれた。康介は感がいいからなー。
「でも、 無理はすんなよ?」
と言ってあたしの頭をポンポンする。
こうゆうこと、サラッと出来るのが康介らしい。
不覚にもドキッとした。