Breblly I 〜オオカミとアカずきんは恋をした〜
第二章 絆

ばいばい ( アカ )

「やっと来た・・・。」
「レンは?」
「ブレブリーの花畑で待ってるって。」
あれからこれでもかというくらい泣き腫らした。涙は不思議と次から次へと出てくる・・・。もちろん目は私じゃないくらいぱんぱんに腫れている。
「どうした!?腫れてるじゃん!!」
レンはやっぱり優しい。ずっと会えなかった理由を聞くことよりも私の頬を心配してくれている。そんなレンを見てると胸が締め付けられてまた涙が出て来そうになる・・・。
「大丈夫・・・。」
「でも・・・・っ!」
私は思いっきり大好きなレンの手を振り払った。
「今は私の話を聞いて欲しいの!!」
「・・・アカ?」
あぁ、胸が痛い・・・
「・・・・・。」
「おい?」
「・・・もう、会えない。」
その時私達の間に冷たい風が通った。
たった六文字だけなのに、・・・・痛いよ。
「や、やっぱりこういうのはお互い危ないし、それに・・・・私も会いたくないの。」
口の中でしたがよく回らない。レンの・・・顔が見れない。
「何だよ、それ・・・・。」
見なくても声が震えてるのが分かった・・・。きっと今のレンの目は赤く充血してる。
怒ってもいい・・・、だからー・・・・
「そんなのおかしいよ!言ったじゃないか!?オレはっ!!」
止めて!!!
「嫌になったの!もうこれ以上レンを好きでいる事によって重荷を背負いたくないの!疲れたの!!」

めちゃくちゃだ・・・・。

酷いこと言えば言うほど鼓動が早くなり、一つ一つの石が重なって・・・重くなってく。
「何だよそれ!?いきなりどうしたんだよ!!」
レンは必死に私の腕を掴んで私と目を合わせようとした。でも私は合わせられなかった・・・。合わせる資格なんてなかった・・・・。
「ごめん・・・。」
私はレンにそう小さく告げると、大きく手を振り払い全力で屋敷まで走った。途中でリンゼ君に会わないように遠回りして逃げた・・・。
レンの・・・悲しそうに見つめるあの顔が頭から離れない。
・・・・どうしてだろうね。
「やっぱオオカミ族なんて好きになったりしちゃだめなんだね・・・。」
涙なんて・・・出てこないと思ってた。
「あんな人・・・。」

“大っ嫌いだよ・・・・”

・・・ふと、通り道に咲いていたブレブリーの花を見てたら小さい頃によく遊んでもらったおばあちゃんの言葉を思い出した。
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