Breblly I 〜オオカミとアカずきんは恋をした〜

ー数年後ー・・・

「アカずきんちゃん!授業に遅れちゃうよー!」
友達のマリナが屋敷の外から大きな声で私を呼んでいる。
「やばっ!もうこんな時間!?」
私は急いで学校の支度をして自分の部屋から飛び出した。
早くしないとマリナに怒られちゃうよ〜!
五十段はある階段を一気に駆け下り、大きな広場に敷かれている絨毯を踏み付け、玄関へ一直線に走った。
あと少し!
だんだん見えてきた大きな扉。それをこじ開けて逃げ出すように屋敷を出ようとしたその時・・・
「アカ様!!」
また、引きとめられてしまった・・・。
「・・・・はぁ。」
今度は何かなー?毎回出ようするたびに引きとめられる。最初は気にしてなかったけど、最近はダメなんだよね・・・。
反抗期・・・ですかね?
「今度は何よ、サイオラ。」
「今日はなるべくお早めにお帰りになりませ。王様がお呼びです。」
「え?お父様が??」
何かあったのかしら?でも今日は大切な日だよね・・・?
「わかった。」
取り合えず返事をして、外に出ることにした。
単細胞の塊の私はこういう時あまり深く考えないようにしてるの。
< 3 / 80 >

この作品をシェア

pagetop