Breblly I 〜オオカミとアカずきんは恋をした〜
あれから約一ヶ月ー・・・
その後もレンは毎晩屋敷の前に姿を現していた。でも、それは最初の内でありここ最近は来なくなってメイドの噂すら聞かなくなった。
これで良かったんだ・・・。
そう思いながらも胸は一ヶ月たった今も張り裂けそうなくらい痛い・・・。
「アカずきんちゃん!行こー!」
マリナは窓の外から顔を覗かせてる私に向かって大きく手を振った。
・・・私も、最近はちゃんと学校に通っているのです。これ以上こもってるとお父様にも迷惑をかけるから・・・。
「それでね、アランが褒めてくれたんだ!」
「へぇ・・・。」
マリナやアランは私に気を使ってくれるのか、休んでいた理由は聞かないでいてくれた。
「でね・・・・え?」
「?どうしたの??」
マリナはいきなり立ち止まり怖張った顔をした。びっくりして私もマリナの見てる方に顔を向けると、・・・そこには見覚えのある瞳を持った、青い髪の少年が立っていた。
「レ・・・ン?」
「やっと会えた・・・。」
どうして・・・・。
レンは「やっぱ朝は眩しいな・・・」って言って苦笑いしながら空を見上げた。
「アカを見てる時、ずっと考えてたんだ・・・。何で、あんな事言ったんだろうって・・・。」
「・・・・・。」
「オレと会っている内にオオカミ族とずきん族って重荷が辛くなったのかもしれない。・・・もしかしたら、本当にオレのこと嫌いになったのかもしれない。」
「そんなこと!!」
「だからっ!・・・オレもよく考えて見ることにしたんだ。一緒にいてアカを危険にさらすことになるなら、離れてお互い会わない方がアカのためになるんじゃないか・・・て。いっそ嫌いになれたらって思ったりもした・・・。」
「・・・・。」
・・・リンゼ君、まだ何も話してないんだね。
チクチクするのは・・・何故?
「でも、・・・無理だった。」
「え・・・?」
どういう・・・こと?
「嫌いになんてなれなかった。それ以上にアカが大切なんだ!」
意味が・・・・・
「離れて、いっぱい悩んでやっと気付いた・・・。」
分かんない・・・・・
「オレは今が大切なんだよ。くさいこと言うかもしんないけど、ぶっちゃけこの先何が起こるのかなんて誰にも分からない。でもオレはそんな分かんない未来を気にするより、今を大切にしたいんだ。」