Breblly I 〜オオカミとアカずきんは恋をした〜
・・・ーポタッ・・・・
泣きそうだったから泣いたとかそう言う意味じゃない。自然と・・・本当に自然に涙が溢れ出た・・・・。
「それにお前、毎晩オレが来てるの分かっててカーテンから見てただろ?オレと別れたいなんて言ったくせにそんな顔するし・・・。結局ベタ惚れじゃん!」
変にニヤつきながらも楽しそうにそう言った。
「そんなんじゃあ一生オレと離れられる事なんて出来ないな。・・・違うか?」
自信満々でニカッと笑うレンに、私は呆れながらも心が温かくなった・・・。
やっぱり好きだよ・・・・
「そうだよ!どうせ私はレンがそばにいないと落ち込むくらいレンが大好きだよ!?でもレンだって毎晩門の前から私を見てたんだもん。ベタ惚れじゃんっ!!」
私はポロポロ涙を流しながらもそう叫んで笑った。レンは小さく「そうかもな・・・。」と呟くと目を細めて微笑んだ。
「おいで・・・?アカ・・・。」
レンは、優しく私の名前を呼ぶと大きく手を広げた。私は迷わずレンの元へと走った。
久しぶりに抱かれているからかな?
レンの中が懐かしく、愛しく感じるの・・・。何か、いつもより鼓動が早く聞こえる・・・。
私のも、レンに聞こえてるのかな・・・・?
「・・・・・。」
・・・てか、何か忘れてる気がする。
「あぁ!!」
マリナだっ!やばいってば!!
私は振り返ってマリナの方を見た。
「ふぅ〜ん?そう言う事ね。」
やっぱり・・・。笑ってるけど、マリナの頭には血管が浮いていた。
怒ってる・・・よね。