Breblly I 〜オオカミとアカずきんは恋をした〜
レンの頬はピンク色を通り越して耳まで赤く染まっていた。だけど私は真っ赤どころか湯出ダコ状態になっていて、所々から空気が抜ける音すらも聞こえた。
「あははっ!二人共顔真っ赤〜!!面白いなぁ。」
なっ!?絶対私達の事馬鹿にしてるよねっ!?
私は驚きと恥ずかしさの余り何も言えず、ただ口をパクパクさせながら隣を見た。レンはさっきよりも赤くして悔しそうにマリナを睨んでる・・・。
私にとってレンは結構なドSの方だと思っていたけど、マリナはそんなレンを抜かすくらいSだ。ひょっとしたら大物かも・・・。
結局、その後もレンは何度も挑発したけど全て惨敗・・・。最後まで大爆笑されながら満足そうに帰って行った。
・・・結構時間が経ったみたい。
さっきまではお昼近くだったのに、気付けばもう日はだいたい沈んで薄っすら星すらも見えてきている。
てか、関係ない話だけどマリナの帰った時のあの後ろ姿・・・結構偉大に見えた。
「あいつ・・・。」
「ん・・・?」
「ムカつくな。」
「・・・・・。」
やっぱりそう思ってたんだ・・・。
私は苦笑いしながらレンの手を握った。
・・・今、ここに居てこうしてるだけでも捕まっちゃうんだよね。
昔からオオカミ族と余り仲の良くない私達は、会うことはもちろん、オオカミ族に関することすら口に出すことも許されなかった。・・・だからこそ、好き合っている私とレンなんか見つかってしまえば殺されるかもしれない。例え私でも・・・・
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