Breblly I 〜オオカミとアカずきんは恋をした〜
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( アカ )
「お父様!!」
お父様が倒れたことを聞いて急いで帰って来たけど、部屋に入った瞬間の余りの変わりように驚いてしまった。いつも金や銀などて飾られた豪華なカーペットや絨毯などは何の模様も入っていない真っ白な物に変えられていた。
あの大きなシャンデリアも綺麗な置物もなくなり、あるのは大きなベットとシャンデリアの代わりの棒のロウソクが何本か・・・、そしてソファが二つとベットのそばにある小さなテーブルが一台だけだった。テーブルの上には薬らしきものと水が置いてあり、お医者様が目の疲れになるような物は置かないように言われたんだとその時思った。
それほど重い病気なのかな・・・・?
私はだんだん不安になってきた・・・。
「アカ・・・。」
お父様の乾いた口がゆっくりと開く・・・。
「お父様!大丈夫なの?」
「私を見くびらないでくれ。まだまだだよ・・・。」
そう言って目を細め、静かに笑った。
・・・・良かった。
「そうだ。お父様、話ってなんですか?」
「本当のこと話そうと思ってな。」
本当のこと・・・?
お父様は真剣な顔をして私の手を強く握った。
「お前には・・・・兄がいる。」
・・・・・・え?