Breblly I 〜オオカミとアカずきんは恋をした〜
私にはどうして泣くのか分からない。アカという自分の子が産まれた瞬間、幸せそうに微笑んでいたのに・・・・それなのに何故泣く?
私にはターナのことが理解出来なくて、その日は一日中考えていたよ・・・。
そして、その五日後・・・・・

ターナは消えた・・・。
涙でにじんだ小さな紙切れをアカの上に置いて・・・・

『今までありがとう。私は本当に貴方を愛してました。アカを最後まで貴方の愛情で育ててあげて下さいね。』

「ル、ルイス!!ルイスはいるか!?
私は血相を変えてルイスを呼んだよ。
「は・・・はいっ!どうなさいましたか!?」
「ターナがいなくなった。捜査隊を出せっ!いる限り全員だ!!」
「はいっ!!」
今でも凄いことをしたと思う・・・。捜査隊の数は民の数とほぼ同じだからな。でも、それほど必死になっていたんだ。ターナが勝手にいなくなるなんてあり得ないことだ、前からおかしいとは思っていたがこんな事になるとは・・・。
「何か・・・嫌な予感がするんだ。」
それでもターナは見つからなかった。あんなに捜査隊を出したのに・・・・。

ターナ・・・、無事でいてくれ・・・・。

「王様!見つかりました!!」
「本当か!?」
「こちらへ!」
あの地獄の大捜査から夜明け後、やっと見つかった。
「ターナッ!!」
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